新入社員と退職と労働契約

稲葉食品の一件以来、退職RTAが流行っているらしい。変化の早い現代において、決断が早いことは良い事でもある。「情報収集して勤務初日を迎える前に判断しなよ。」と思わなくもないけど。

一連の記事で何が一番不味いかって、今の中高年には採用活動において不法行為に及んでいると可能性に対する認識が薄いようだ。そしてそこには気がつかないまま、「若者は我慢が足りない」とか平気で発言している。

労働契約を結ぶときにあらためて説明していない限り、募集要項や面接時に示した労働条件が契約として有効になる。

例えば有りそうな話しとして、採用面接で「配属は希望を考慮して決定します」と言っておきながら、労働契約時点では希望に添えなかった事を説明せず、勤務初日に希望と異なる配属を明かした場合、法定で争ったら企業側が負ける可能性が高い。稲葉食品で問題となった話しも、採用募集時には総合職の初任給を提示しておきながら、入社してみたら一般職採用で報酬も少なくなっていたと言う。採用面接時の約束事を反故にしても刑事上の罰則なんかは無いが、民事の損害賠償ぐらいは取られる可能性があるのだ。

今の若者は、企業が不法行為をおこなっていることを認識しているし、不幸行為を我慢して受け入れる必要のない社会環境にある。

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