Google App EngineにApplicationを作る
最初にGoogle App EngineにApplicationを作成します。Google App Engine LauncherのDashbordボタンをクリックしてGoogle App EngineのWEBサイトを開きます。
Preiewの画面からCreate An Applicationをクリックして新規にアプリケーションを作成します。この時に指定するApplication Identifierは、ApplicationのNameと一致している必要があります。このアプリケーションの例ではmikahosi-1となります。Application Titleも必ず入力しなくてはなりませんが、こちらは任意の文字列で構いません。
Google App EngineにDeployする
Google AccountからApplicationを作成したら、Google App Engine LauncherのDeployボタンをクリックします。下図のログオン画面が表示されますので、ログオンアカウントパスワードを入力してログインします。ここで項目名がmailとなっていますが、指定するのはメールアドレスではありません。Googleのアカウント名(Google Mailと@より前の部分)を入力します。メールアドレスを指定するとログインできません。
初めて使用する場合には、CAPTCHA認証を要求される場合があります。その場合にはDeployment To Googleのコンソール表示にURLを表示します。ブラウザで指定されたURLに接続して、CAPTCHA認証を行ってください。
以上で無事にGoogle App Engineに作成したアプリケーションをアップロードできたはずです。Google App EngineのWEBサイトにて割り当てられたURLに接続してみてください。
ちなみに作成した掲示板サンプルは下記のURLにアップロードしてあります。
http://mikahosi-1.appspot.com/
月: 2009年11月
DataStoreを使ってみる
オブジェクト指向データベース(ODBMS)
クラウド独特のデータストアを使う前に、オブジェクト指向データベース(ODBMS)について知っていると入りやすい。
ODBMSは1980年代後半から、1990年代前半にかけて、様々なオブジェクト指向開発の試行錯誤と研究の中で生まれ、そして殆ど実用される事無く消えつつあった技術です。要は「オブジェクト指向分析の中で表現したデータクラスを、データクラスのままストレージに格納して扱えば、オブジェクトをそのまま表現できて扱いやすいんじゃね?」という発想でした。それまでのストレージはRDBMSに代表される表形式の物で、そこにデータクラスを格納するには非効率な変換処理(ORマッピング)が必要だったのです。
でもODBMSという試みはあまり上手くいきませんでした。ODBMSはリソースを大量に消費するとか、検索が遅いと言った、実装上の問題を抱えている事が多かったのです。その試みはORDBMSやORマッピングやLINQなどとして現在も続いています。そしてクラウドもODBMSを実現するための一つの答えになるものと私は思っています。
初期のODBMSで問題となっていたリソースの消費は、クラウドが安価なリソースを提供することで解決されました。RDBMSとは全く異なるパラダイムの上に成り立っているので、当初は混乱するかもしれません。ですがODBMSはオブジェクト指向開発の効率を大きく高め得るものです。積極的に取り組んでいく価値は高いと思っています。
DataStoreの定義
データの定義は簡単です。以下のようなクラスを定義するだけです。”text”、”date”がメンバ変数です。この二つの値がDataStoreに保存されます。
class GuestComment(db.Model): text = db.StringProperty(required=True) date = db.DateTimeProperty(required=True)
データを保存したいときには、クラスメンバのput()を呼び出します。データを読み出す場合はall()で全データを読み出せます。
class MainPage(webapp.RequestHandler): def post(self): text = cgi.escape(self.request.get("content")) text = text.replace("rn", "<br>") text = text.replace("r", "<br>") text = text.replace("n", "<br>") if len(text) > 0: com = GuestComment(text=text,date = datetime.datetime.now()) com.put() self.makeHtml() def get(self): self.makeHtml() def makeHtml(self): self.response.out.write(""" <html> <body> <form action="/" method="post"> <div><textarea name="content" rows="3" cols="60"></textarea></div> <div><input type="submit" value="Sign Guestbook"></div> </form>""") comList = GuestComment.all() for com in comList: self.response.out.write('Wrote Date : ') self.response.out.write(com.date) self.response.out.write("<br>") self.response.out.write(com.text) self.response.out.write("<br>") self.response.out.write('<hr>') self.response.out.write('</body></html>')
一部のデータだけを読み出したい場合や、並び順を入れ替えて読み出したい場合にはGQLで指定します。RDBMSで使用するSELECT文とほぼ同様の物なので、すぐに理解できると思います。
comList = GuestComment.gql(“ORDER BY date DESC”)
RDBMSのようにリンクを指定するにはどうするのかって?そこがODBMS独特の部分です。例えばユーザーに関するデータを掲示板への書き込みと同時に保存したい場合、そこにはユーザーを表すクラスへの参照を保存する事になります。ReferencePropertyメンバを使って以下のように記述します。
class UserData(db.Model): name = db.StringProperty() age = db.IntegerProperty() class GuestComment(db.Model): text = db.StringProperty(required=True) date = db.DateTimeProperty(required=True) user = db.ReferenceProperty(UserData)
Google App Engineを始めてみる
取り急ぎ環境を作るよ
PyThonのインストール
Python Japan Users GroupのホームページからWindows用のインストールパッケージをダウンロードしてこよう。とくに何も注意する事はない。インストーラ付きのものをダウンロードして、何も考えずに実行するだけでおkです。
Eclipseのインストール
EclipseとPyDevを用意します。Eclipseは言わずと知れた汎用統合開発環境です。Java用、C++用などから適当なパッケージをダウンロードして来てください。私はJavaも使うかもしれないので、Eclipse IDE for Java Developersを選択しました。インストーラなどは付属していません。ダウンロードしたZipファイルを適当なフォルダに回答したら、Eclipse.exeを起動します。
PyDevのインストールは少々独特です。EclipseのメニューからHelp→Install New Softwareを選択します。
上図が表示されたら”Add…”を選択して、NameにPyDev、Locationにhttp://pydev.org/updatesと入力してOKしてください。下図のように表示されるので、導入するPluginを選択したら、Nextで先に進んでインストールしてください。
AppAngineのインストール
Google App EngineからApp Engineをダウンロードしてきます。インストーラが付属しているので、何も考えずに導入してください。
Hello Worldを作るよ
新規プロジェクトの作成
EclipseのメニューからFile→New→Projectを選択すると、WizardにPyDev Google App Engineが追加されている。それを選択してプロジェクトを新規に作成しよう。
Project NameはHelloGoogleとしてみる。
Google App Engineのインストール先を入力する必要があるので、入力してあげる。
最後にテンプレートを選択しよう。
とりあえず動かしてみるよ
index.yamlと言うファイルが必要ですが、何故か自動では作られませんでした。自分で作成しましょう。中身はこれだけです。
indexes:
# AUTOGENERATED
スタートメニューに登録されている”Google App Engine Launcher”を起動しましょう。
最初の一回目は環境設定が必要です。メニューからEdit→Prefrencesを選択してください。下図のようにPythonのインタプリタのパスと、Google App Engine SDKのインストール先パスを指定してください。
次にメニューからFile→Add Existing Applicationを選びます。Application Pathに先ほど新規に作成したProjectのパスを指定してOKボタンをクリックします。これでプロジェクトが追加されます。追加したプロジェクトを選択して”Run”ボタンをクリックした後、”Browse”ボタンをクリックしてみましょう。
うん動いたっぽい。
何もしてないから当然だよね。次はデータストアにでもアクセスしてみるよ。