アンテナの設置方法を考えてみた。

ベランダの設置場所を考えてみた。

自宅のベランダは手すりの直上には屋根が張り出していなくて上が空いている。それを活用してベランダの手すりにアンテナを固定して、ベランダの内側にアンテナを立てようと思う。アンテナの重量を手すりだけではなく、ベランダの床でも受けているので重量的には問題ないと思う。

Antena1

問題は横方向の揺れで、フェンスに固定してある支持金具の間隔は20cm程度しか取れない。下部分には滑り止めにゴムなどを置くつもりだが、はたして重量とゴムで上手く止まってくれるだろうか?屋根付近でもう一点固定を考えたほうが良いかもしれないが、雨どいが邪魔になるので上手い方法が思いつかない。

Antena2

当面は調整したりする可能性も高いので、ポールを使わずに、ベランダのフェンスに直接GPアンテナを固定する予定。

縮尺が可笑しいのは御愛嬌ってことで・・・

アンテナの取り付け

1.設置する場所
1.1.交信状況への影響
1.1.1.地上から出来るだけ高くする
アンテナの高さは給電点が地上から何メートルの位置にあるかで判断します。全長3mのグランドプレーンアンテナを、高さ10mに設置しなたら、先端は13mもの高さになるわけです。
見通しで交信可能な距離はアンテナの高さに比例して伸びていきます。地球が球状なので理論上の距離は4.12*(sqrt(h1[m])+sqrt(h2[m]))[Km]であらわす事が出来ます。h1とh2は送信側と受信側のアンテナの高さで、sqrtはその平方根を意味します。双方のアンテナの高さが10mの場合には26Km程度になります。平方根に比例すると言う事は、アンテナの高さを二倍にしても、1.5倍前後にしかなりません。高ければ高いほど遠くに届きますが、むやみに高くしてもコストばかり高くなってメリットが薄れてしまいます。
一般的な二階建て家屋の屋根の高さが6~7m程度ですから、これに遮られない10m程度の高さがあれば当面は十分ではないかと思います。10mの次に目標を定めるとしたら、杉などの樹木の高さを超える20mでしょうか。しかし一般家庭で20mの高さを超えるアンテナを設置するためには、タワーなどの専用の設備が必要になり敷居が高くなります。
1.1.2.建造物から出来るだけ離す
アンテナの周辺に金属や壁などがあると、アンテナがその影響を受けて特性が変わってしまいます。周辺に壁などがあると、共振する周波数がずれてしまったり、指向性が狂ってしまうのです。そこで出来るだけ壁などの構造物から離して設置する必要があります。
1.1.2.無線機から出来るだけ近くする
無線機から遠く離れると、アンテナ線の引き回しが長くなり、交信状態が悪くなります。高利得のアンテナケーブルを使用する事によって改善できますが、出来る限り無線機の近くのほうが良いのです。
1.2.作業のしやすさ
ここまで話をすると、TVアンテナと同じように屋根に屋根馬を乗せて、そこから高くポールを伸ばして設置するのが一番よさそうに思えてきますが、ちょっと待ってください。
アンテナは設置してお終いではなくて、その後に調整などの作業をおこなう必要があるのです。たとえばグランドプレーンアンテナなどは使用する周波数に合わせて、ラジアルの長さを変えながらSWRが最低になるように微調整するように作られています。
一般家庭の屋根の上は安全に作業をおこなえるように考慮された作りにはなっていません。高所での作業には落下の危険が付きまといますが、一般的な屋根には落下を防ぐための仕組みが一切用意されていないのです。頻繁に上り下りを繰り返しながら調整作業やメンテナンスをおこなうには、あまりにリスクが高くなります。
ベランダからポールを上げたり、外壁面からポールを上げたりと、あるいは庭の一角に設置するなど、安全にアンテナのメンテナンスをおこなえる設置場所を検討してください。
144MHz以上の周波数に対応したアンテナは、共振周波数を合わせるための調整の必要の無いものが大多数ですので、屋根上でも問題は少ないかもしれませんけどね。
2.安全のための配慮
2.1.倒壊などの防止
倒壊や落下を防止するためにアンテナは確実に固定しましょう。固定しているつもりで、アンテナが風で揺れているようでは駄目です。揺れた状態が続くと蓄積疲労で破損を起こしやすくなります。また揺れていると交信状態も安定しません。確実に固定しましょう。
ポールの材質には様々な物がありますが、ステンレスを用いるのが一番確実です。アルミ製のポールは軽くて扱いやすいのですが、アルミには負荷が限界を超えると折れると言う特徴があります。定期的なチェックを怠ると一気に破壊が進んで大きな事故になりかねません。アルミなら曲がるので外見上も異常を発見しやすく、また限界を超えた場合も一気に破損する事は少ないはずです。
2.2.アンテナ保険
万が一にアンテナが倒壊した場合に備えてアンテナ保険に入りましょう。
住宅の上に倒れたなら家屋の破損だけの話ですが、それでも数百万の支出になります。道路上などに倒壊して人身事故に発展したり、送電線上に倒壊して広域に停電を起こしたりすれば、被害額が負担できない額に上る可能性もあります。自身の責任としてアンテナ保険には確実に入るようにしましょう。
3.SWRの調整の仕方
3.1.ケーブルの長さ
適当な長さのケーブルを使用するとSWRが下がりません。ケーブルの長さは使用する波長の半分の長さの整数倍にします。正確には短縮率をかけて、((300/周波数)*短縮率)/2であらわされる長さの整数倍です。短縮率は0.8前後の事がおおいです。
50Mhz帯の場合は中心周波数の51Mhzを用いて計算して4.7mとなります。140Mhz帯の場合は145MHzを用いて計算して0.82m、433Mhz帯の場合は435Mhzを用いて計算して0.27mの整数倍です。50/140/433のマルチバンドの場合は5mの倍数のケーブルを用いれば、どの周波数でもSWRはほぼ妥当な値になります。
7Mhz帯の場合は17mの倍数になりますが、50Mhz帯の4.7mの倍数とほぼ一致するのは51mと極端にながくなってしまいます。7Mhzと50Mhzのマルチバンドの場合には、ケーブルの長さを整数倍にするのではなく、アンテナチューナなどを挿入する必要が出てきます。
3.2.アンテナのSWR
市販のグランドプレーンアンテナなどの場合には、無調整で上げてもほぼ適当なSWRになるように設定したうえで発売されています。ただし50Mhz帯でFMを使うのであれば、中央の51Mhzに合わせて調整するよりも、51.5Mhzに合わせて調整したほうが良く交信できることになります。この場合SWR計を繋いで、アンテナのエレメント長を調整して目的周波数でSWRが最低になるように合わせます。

周波数ごとの特徴 その3(長波/1.2Hhz/マイクロ波)

・140Khz
2009年から新たにアマチュア無線で使用することが認められた周波数帯です。地表波を使って交信をおこないますので、十分な出力があれば数百Kmの範囲で交信可能です。
歴史が浅いので市販の機器はほとんどありません。日本では長波帯を音声放送には長く使ってきませんでした。そのため商用目的でも、国内での利用実績もほとんどありません。国内では航空機や船舶の測位システムに使われている周波数帯です。
一般に周波数が高くなるほど機器を作成するのが難しくなります。無線機を自作したい人にとっての登竜門に良い周波数と思います。
・1.2GHz
周波数帯としてはUHFに分類されています。最近になって1.2Ghzに対応した無線機が安価に提供されるようになったため、注目を受けている周波数帯です。見通し距離で交信をおこなう事が出来ます。わずかでも障害物が存在すると反射/減衰してしまうために伝搬しません。
小型のアンテナでも十分な利得を得られます。リピータを用いれば交信距離を延ばすこともできます。
・2.4Ghz/5.6GHz/10.1Ghz
見通し距離で交信をおこなう事が出来ます。わずかでも障害物が存在すると反射/減衰してしまうために伝搬しません。市販の機器もないため、一部で実験的に交信している以外には殆ど使われていない周波数帯です。

周波数ごとの特徴 その2(HF/50Mhz)

・3.5Mhz/3.8Mhz帯
国内外の遠距離交信に良くつかわれる周波数帯です。電離層反射の効率が7Mhzよりも劣り、また空電ノイズも多いため、四級アマチュア無線で運用可能な10Wでは十分に交信できないようです。
アンテナは比較的小さなグランドプレーンでも5m~7m程度になるために場所を選びます。磁界型ループアンテナや、EHアンテナといった小型のアンテナも出てきたため敷居は下がりつつあります。
・7Mhz帯/21Mhz帯
国内外の遠距離交信に良くつかわれる周波数帯です。電離反射を利用しやすく、終日長距離での安定した通信を期待する事ができます。
アンテナは比較的小さなグランドプレーンでも5m~7m程度になるために場所を選びます。磁界型ループアンテナや、EHアンテナといった小型のアンテナも出てきたため敷居は下がりつつあります。
・28Mhz帯/50Mhz帯
通常は100Km程度の見通し距離のは良いで交信をおこなえます。太陽活動が活発な時期や、スポラディックE層が発生した時には国内外との遠距離交信をおこなえます。とくに50Mhz帯はラジオバンドなど、様々な気象条件の影響で異常伝搬をおこしやすいです。
アンテナはグランドプレーンで3m~6m程度になり、アンテナ設置の敷居が低いです。またハンディ機やモービル機でも対応機種があります。
比較的に低い初期投資で遠距離通信を見込める事から、初級者が始めるには都合のよい周波数帯と思います。

開局目指して資材調達中・・・

まだ従免も届いていないけど、開局目指して機器を収集中。
全部ヤフオクで中古や処分品を調達。
ハンディ機:IC-S7Dss ¥15,000也
144Mhz/430Mhz帯に使用。出力は6W。
数回しか使っていなかったという代物。外観などほぼ新品。
固定機:TS-680V ¥20,000也
HF~50Mhz帯、当面はアンテナの関係で50Mhzだけの運用になる予定。出力は10W。
完動品・・・のはず。写真を見ている限りは綺麗。まだ手元に届いていないけど・・・
アンテナ:GHX-510 ¥10,000也
50MHz/144MHz/430MHzマルチバンドグランドプレーン。新品♪
屋根馬にのってるVHFアンテナの所にくっつける予定。
地上高は10mくらいかな?
電源:ALINCO EPA-45 ¥1,000也
電源容量が間に合うかちょっと不安ではあるけど、TS-680Vの定格が4.5Aなんでギリギリ間に合うはず。
とりあえず、こんな構成でスタートをきろうと思う。
ケーブルやら、コネクタやら、ハンドマイクやら、細かいものも後日調達しなくちゃね。

周波数ごとの特徴 その1(VHF/UHF)

・144Mhz
基本的に見通せる距離内で交信可能です。アンテナの設置状況にもよるけれど半径20Km程度が限界。山腹など条件の良い場所なら100Kmでも交信可能です。
とても静かで、都市部で無い限り交信局はほとんどありません。
・430Mhz
基本的に見通せる距離内で交信可能です。アンテナの設置状況にもよるけれど半径20Km程度が限界。山腹など条件の良い場所なら100Kmでも交信可能です。ここまでは144Mhzと同じです。
430Mhz帯にはレピータが配置されており、ハンディ機の標準アンテナでもレピータを経由することで20~40Km程度の範囲で交信が可能になります。筑波山レピータ(標高870m)とか、赤城山レピータ(標高1820m)といった、非常に高い場所に設置された広域レピータを経由した場合100Km以上離れた局との交信も可能になります。
トラック運転手など、レピータを経由した移動局による交信が活発に行われています。
WIRES-II
レピータ間をインターネットを経由してつなげることで、広域通信を可能にしたシステムです。有志が設置したWIRESレピータ局からインターネットを経由して、遠隔地にある別のレピータ局へと中継する事ができます。
WIRES-IIのレピータ利用するには、DTMF信号を発信できる50Mhz/144Mhz/430Mhz/1200Mhz帯の無線機と、WEB上でWIRESレピータ局を探すためにインターネットに接続できる環境が必要です。
D-STAR
デジタル変調無線を使用し、レピータ間をインターネットを経由してつなげることで、広域通信を可能にしたシステムです。有志が設置したD-STARリピータ局からインターネットを経由して、遠隔地にある別のリピータ局へと中継する事ができます。D-STAR局同士でデジタル無線を使って接続したり、通常のレピータ経由の通信と同じようにインターネットを経由せずに接続する事もできます。
D-STARを利用するにはD-STAR対応の無線機を購入したうえで、D-STARのユーザ登録を行う必要があります。現状ではICOMからしか発売されていません。
エコーリンク
無線局同士をインターネットを経由してつなげることで、広域通信を可能にしたシステムです。パソコンからインターネットを経由して、遠隔地にあるリンク局から電波を発信する事ができます。リンク局や無線機を使わずにパソコン同士で交信をしたり、無線→リンク局→インターネット→リンク局→無線といった交信も可能です。
エコーリンクを利用するにはパソコンが必要です。エコーリンクソフトウェアをインストールすることで利用できます。パソコンと一般的な無線機だけでリンク局を設置する事ができるので、リンク局開設の敷居も低いです。

ハンディ機が届いたので電源を入れてみた

今日、Yahooオークションで落札した144Mhz/430Mhzハンディ機 IC-S7Dssが届きました。広帯域受信やデュアルバンドの同時受信機能はありませんが、その代りに送信出力6Wで、価格も控えめです。これでコミケで移動運用する無線機はとりあえず確保できました。
局免はおろか従免すらまだ届いていないので電波を出すわけにはいきませんが、さっそく144Mhz帯や430Mhz帯を聞いてみました。無線機屋さんに話をしにいったとき「私もね、アンテナが落雷で壊れてからここ一年、まともにやってないんですよ。まともなアマチュア無線局が本当になくなってしまって(中略・・・愚痴とかだし)まずはやってみて、それから考えたら良いですよ。クラブに入れば無線機を借りることもできるでしょうしね・・・」とアドバイスされていたんですよね。(アドバイスと言えるのかは兎も角としてw)
さて、話には聞いていましたが、本当に無線局が少ないんですね。日中に業務で使っていると思われる無線局(違法なんですけどね(^^;)を三局に、ちゃんとしたアマチュア局と思われる無線局を三局みかけただけでした。土日を挟んでみないと正確なところは分かりませんが「144/430で通信可能な範囲でCQに応答して・・・」というのは、少なくとも地方では難しいようです。
CQに応答してみるならHF帯や50Mhzの固定機がやっぱり必要なようです。今注目しているのは、FT-8900です。これ一台で29/50/144/430MHzに対応します。
でもモービル機で50Mhz以下って選択肢が少ないんですよね。HF帯~50Mhzに対応した固定機は多々あるのですが、安いものでもモービル機の倍の値段がするんです。それに、HF帯のアンテナなんて馬鹿でかい(6m~)もの、ちょっと立てる気にはならないし。

最初の無線機は何にする? その3

・アンテナの選択
購入するのは無線機本体だけではなく、アンテナも必要ですよね。
最初に使うアンテナは無指向性のものにしましょう。固定用のアンテナとして、144Mhzや430Mhzでは八木アンテナが、HFや50Mhzでは水平ダイポールが多いです。ですが指向性アンテナでは交信時にアンテナの向きも調整しなくてはならない分、調整しなくてはならないパラメータも増えます。調整するパラメータが増えれば、その分だけ難しくなるので、最初は無指向性アンテナを選択しましょう。
設置場所は慎重に検討してください。アンテナはできるだけ高い場所で、壁などから離して、なおかつ無線機の近くに設置するのが原則です。グランドプレーンアンテナは144Mhzでも2m、50Mhzでは3mもの長さになります。強風で倒れたりしないように、多少しなっても周りに当たらないように、注意しましょう。
アンテナ設置に十分なスペースを取れない場合には、ディスコーンアンテナを選択するとよいでしょう。グランドプレーンに比べると全長が短いですので、十分な広さを確保できない場所でも利用できます。
モービル用には比較的小さいアンテナが沢山ありますが、自動車の車体をアースとして使用するアンテナが多いです。こういったアンテナは固定局用には使えませんので、モービル用のアンテナを購入するときは注意してください。
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・アクセサリの選択
・マイク
PTTスイッチの付いたハンドマイクをお勧めします。
スタンドマイクだと両手が自由になるように感じますが、逆に動きが制限されて、説明書片手に話すと言った事をやりにくいのです。
VOX回路を搭載していて、話している間だけ自動的にPTTスイッチをONにしてくれるマイクもありますが、調整を誤ると周りの雑音を拾ってPTTスイッチがONのままになる事があります。電波が出しっぱなしになり、周りに迷惑をかけることになるので、初心者のうちは避けたほうが良いと思います。
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・電源
無線機はコンセントから直接電源をとるのではなく、別途DC電源を用意しなければならないものがほとんどです。四級アマチュア無線で使用できる20W程度の無線機でも12Vで6Aの電源が必要になります。余裕をもって10A程度の電源を用意しましょう。
出来れば電圧を任意に設定できる安定化電源を用意しましょう。というのも無線機の低格入力は13.6V±15%になっている事が多いのです。自動車の場合、停車時にはバッテリーから12Vの電源が供給されますが、走行中に電圧が変動し13~14V前後になるためです。一般に売られている12V電源での動作しますが、ちょっと電圧が低いのです。電圧を調整できる安定化電源であれば、動作に最適な13.6Vに調整することができます。
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・ヘッドセット(イヤホンマイク)
ハンディで運用するなら、PTTスイッチ付きのイヤホンマイクを用意しておくと便利です。VOX回路付きは前述と同じ理由で避けましょう。

最初の無線機は何にする? その2

お店では様々な無線機が売られていますが、買ってはいけない無線機があります。
・大出力の無線機
50Wや100Wの無線機が市販されていますが注意してください。4級アマチュア無線技士の資格で操作できるのは、HF帯で10Wまで、VHF/UHFで20Wまでです。これ以上おおきな出力の無線機を購入すると、無線局免許を発行して貰えないので注意してください。
正確には10W/20W以上の出力を出せないように改造した旨の証明書を添付すれば無線局免許を貰えますが、もとには戻せないような形で改造しなくてはなりません。メーカーに改造してもらったうえで証明書を発行してもらうか、自分で改造したうえでTSSに証明書を発行してもらう事になります。
優良な無線屋さんなら購入時に教えてくれるでしょうけど、Yahooオークションなどで入手する場合には、間違えて購入しないように気をつけましょう。
・海外から輸入した無線機
Yahooオークションなどに出品されている無線機の中には、海外から個人輸入された物が含まれています。こういった無線機は日本国内で技術基準適合証明(技適)を受けていません。技適を受けていない場合、TSSに依頼して証明書を発行してもらうなどしないと、無線局免許を発行してもらえませんので、安さにひかれて購入したりしないようにしましょう。
・非常に古い機種
技術基準適合証明制度が出来る前に発売された無線機は、無線局開局申請のときにブロックダイアグラムを提出したり、TSSから証明書を貰う必要があります。初心者が登録するには敷居が高いので、安さにつられて購入したりしないようにしましょう。

最初の無線機は何にする?

アマチュア無線技士試験に合格したら、まずは無線機を買わなくてはなりません。
さて、どんな無線機を買ったらよいのでしょうか?
ハンディ機は安いので、入門者が最初に購入することが多いです。ですが移動して運用する予定がないなら、最初から固定機を購入するか、モービル機を固定機として流用する事をお勧めします。
ハンディ機の多くは144Mhzと430Mhz帯で交信します。この周波数帯域は基本的に見通し距離でしか交信できません。アンテナを設置している高さが3m程度だと仮定すると、仮に障害物がなくとも10Km程度の距離でしか交信できないのです。交信距離を伸ばすにはアンテナを外付けにして、より高い場所に設置すればよいのですが、仮にアンテナを10mの高さにしても25Km程度しかありません。
遠距離と交信を行うには7Mhz~50MhzのHF帯を使用する必要があるのですが、ハンディ機で50Mhz帯に対応した機種は価格も高くなってしまいます。また、ハンディ機に使用するような小型のアンテナでは50Mhzの電波を十分に受信する事は出来ず、どうしても受信状態が悪くなってしまうのです。
ハンディ機を購入する場合、出力にはあまりこだわらなくて良いでしょう。カタログには「出力5Wのハイパワー」などと書かれていますが、ACアダプタ接続時のみで、バッテリーで使用する場合には3W程度の出力しか出せない事が多いのです。移動先で使用するのであれば、安価な3W程度の機器を購入しても、実質的には変わらない事になります。
固定機やモービル機を購入する場合、50/144/430Mhzのトリプルバンド機が良いと思います。一般に周波数が低くなるほど大きなアンテナが必要になります。50/144/430Mhzのトリプルバンドなら一つのアンテナで共有することもできますし、大きいものでも3m程度の長さしかありません。この程度のサイズならアンテナを高い位置に上げるのも容易です。50Mhz帯は運が良ければ電離層反射を利用したかなり遠くの局とも交信する事ができます。ユーザー数の多い144/430Mhzと、遠距離交信も可能な50Mhzを併用することで、より多くの人と交信できるでしょう。
安定して遠距離交信するには7Mhz帯を使う事になります。アンテナのサイズは、大きな物では20mにもなるため、アンテナの設置も容易ではありません。最近は比較的小型のアンテナも出ているようですが、小さくなればそれだけ受ける電波の量も減り、利得も落ちてしまいます。無線機の価格も高くなってしまいますので、入門者が最初に手を出す無線機としては、止めたほうが良いと思います。
D-STARと言う、インターネットと連携することで遠距離通信を可能にするシステムがあります。430Mhzの手軽なハンディ機でも海外など遠距離の無線局と交信できる可能性がある点で面白いです。比較的近所にD-STARリピータ局があるなら、購入候補に加えてもよいと思います。おもに430Mhz帯を使用しますので5~20Km程度の範囲内にD-STAR対応リピータ局がないなら、利用できない可能性が高いのであきらめましょう。
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