わりとリツイートされていたので補足。電子書籍が出版社の都合で突然読めなくなる場合があるのは、これが「期間の定めのない契約」による所が大きいのです。
電子書籍の販売はAmazonの場合は次の様な契約関係にあります。
電子書籍の利用者はAmazonを通じて代金を支払います。利用者が支払った代金は仲介手数料やシステム手数料などを差し引いた後に、出版社に支払れます。実際にはAmazonは仲介するのみで、利用者は出版社に代金を支払い、利用者と出版社の間でコンテンツ提供の契約をおこなっています。
この契約には期間の定めがありません。一般的な感覚だと「期間の定めのない契約」は、未来永劫にわたって契約を遂行する義務があるように感じるかもしれません。ですが法律上の「期間の定めのない契約」は合理的な理由があり、十分な告知期間を設ければ、何時でも解約して良い契約とされています。合理的な理由には以下のようなものが想定できるでしょう。
・出版社が倒産した場合
・出版社またはAmazonが電子出版事業を終了した場合
・出版社と著作権者との契約が終了した場合
・自主規制等により書籍の販売を終了する場合。
電子出版以外での判例を見る限り、告知期間はおおむね四ヶ月程とれば妥当とされているようです。
むろん上記以外でも、合理的な理由があり、妥当な告知期間を設ければ、一方的に解約する事ができます。もしも不服であるなら民事訴訟で「社会通念上合理的と言える理由か?」を争うことになります。でも日本の司法は実損主義なので、仮に裁判で争って勝訴したとしても購入代金の返金を受けられる程度でしかなく、実際に訴訟を起こすのは難しいでしょう。