AMDのクラウドファーム

今回のゲームショーで楽しみにしていたものが二つある。ひとつはソニーのヘッドマウントディスプレイ。もう一つはAMDのクラウドファームを使ったシステムがどうなったかだ。PS4でも、XBOX360oneでも、PS vita TVでも無いあたり、なかなかひねくれてると思う。
AMDのクラウドファームを使ったゲームシステムは、クライアントには動画の再生機能と操作するために最小限の入力機能だけを持たせ、最も計算負荷の高い3D画像のレンダリングも含めて他のすべての処理はサーバー側で行うというものだ。
現在のネットワークゲームの多くは、ユーザーの入力をアプリケーションがサーバーに送信、サーバー側で判定された結果がクライアントに届き、クライアント側でグラフィックを作成するようになっている。このグラフィックの作成で高精細な画面を作るためには、ユーザーが相当な初期投資をおこなう必要があった。この高度がグラフィックを作成する処理もサーバー側で行なってしまえば、高機能なグラフィック処理ボードを複数のユーザーでシェアすることになるので(1日24時間ゲームを遊び続ける人は居ない)、一人当りの負担はより小さな金額で、高精細な画面を得られることになる。
ネットワークの遅延が大きくて使い物にならないのでは・・・と思うかもしれないが、ネットワークゲームではどのみちサーバーとの通信は行なわれている。より高性能なビデオチップを使えば、画面のレンダリングに必要な時間は短くなり、ミドルエンドのグラフィックを載せたPCよりも、トータルでの応答速度は速くなるというわけだ。後の問題はネットワークの帯域幅だが、モバイルでも数十Mbpsの通信速度が確保できるようなってきた。
なかなか斬新でセンセーショナルなアイデアだったのだが、とんと実際にゲームがサービスされるという話を聞かなかったのだ。でようやく最初のサービスが始まった。なんと軽量ブラウザゲームの「艦隊これくしょん」である。「え~?」と思ったでしょ?私も思ったよ。3DCGの機能なんかばっさり無視して、マルチクライアント対応ゲームを容易に作れるってところで、採用が決まったようだ。ちょっとがっかりで、微妙にうれしい、変な感じのニュースになった。
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だがAndoroidに、iPhoneに、PCに・・・とマルチデバイス対応ゲームの開発に向いていたのも確かにその通りだと思う。これをきっかけに広く普及してくれないかなと、新たに期待した。

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