アマチュア無線を始めるまで

ふと思い立ってアマチュア無線の免許を取ろうとしてみたものの、インターネットよりはるかに古い世界であるせいなのか、意外に「まったく知らない人向け」の情報というが少ない気がする。なので、自分で無線の世界に入りながら、ちょっとずつまとめていこうと思う。
アマチュア無線を始めるためには、まず以下のステップを踏まなきゃならない。なんとアマチュア無線を始めようと思ってから、実際に法的手続きが完了するまで最長で半年も、最短でも一ヶ月かかるのです。
1.従事者免許取得
1.1.国家試験を受ける方法
1.1.1.第四級アマチュア無線技士試験申し込み
財団法人日本無線協会(JRI)が全国各地でおこなっている国家試験に申し込みます。主要都市ならほぼ毎月、それ以外でも年に数回行われています。試験を受けようと思う月の前々月の20日までに申し込みをおこないます。申込書は各地の無線機器屋さん、大型書店で購入できます。アマチュア無線参考書の巻末に閉じ込められている事も多いです。
毎月第三日曜日に日本無線協会本部で行っている試験だけは例外で、試験日当日に窓口で受験の申込みをすませ、その日のうちに試験、結果発表、従事者免許申請発行まで行えます。早く欲しいと言う方や東京近郊の方はこれを利用すると良いです。
1.1.2.第四級アマチュア無線技士試験受験
第四級アマチュア無線技士試験は全部四択で法規12問、工学12問の系24問出題されます。法規、工学、それぞれ8問以上正解すれば合格です。試験時間は1時間ですが、15分くらいで解き終わると思います。前日に過去の問題などを一夜漬けすれば十分に合格できます。小学生低学年でも合格するような内容の試験ですが、引っかけ問題や計算問題も含まれるため、大人でも油断していると落ちますよ。
受験番号は、このあと従事者免許の申請に必要になるので無くさないでください。
1.1.3.第四級アマチュア無線技士合格通知
試験から約一ヶ月たつと合格通知が送られてきます。ですが、これは免許証でもなく、合格証書でもなく、ただの合格通知です。この後、無線従事者免許申請をおこなって、初めて免許証が送られてきます。
1.1.4.無線従事者免許証申請
アマチュア無線技士試験に合格したら、こんどは無線従事者免許証交付申請をおこないます。日本アマチュア無線連盟(JARL)が無線従事者免許証交付申請の代行業務をおこなっていますが、総務省に直接おこなっても手間があまり変わりません。代行業務だと2,200円、直接手続きすれば1,750円なので直接手続きしましょう。
無線従事者制度のホームページから申請用紙(PDF形式)をダウンロードして必要事項を記入の上、印紙をはりつけ、管轄の総合通信局に郵送するだけです。返信用封筒と住民票を同封するのを忘れないようにしましょう。
1.1.5.無線従事者免許証交付
無線従事者免許交付申請から約一ヶ月で免許証が送られてきます。
1.2.講習会を受ける方法
全国各地で行われている講習会を受けて免許を貰います。全国各地で年に1~2回程度おこなわれています。講習後の合格率は99%程度と、ほぼ落ちる人は居ないです。講習は二日間かけて行い、料金は二万円以上かかります。でも一夜漬けで十分受かるので、国家試験を受ける方法のほうが良いと思いますよ。
どちらかというと、アマチュア無線がメインではなく、何か別の目的のためにアマチュア無線を使おうと考えている人に向けたもののようです。たとえば登山とか、パラグライダーとか、レジャーボートとかですね。これらを楽しむ人にとって無線は文字通り命綱ですし、業務ではないからアマチュア無線の要件に入りますしね。
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2.無線局免許取得
2.1.無線機器購入
従事者免許証が届いたら無線機器を購入します。従事者免許がなくても、電波を出してはいけないだけで、無線機器を購入できないわけではないのですが、良心的なお店だと従事者免許を持たない人に売るのを嫌がります。だから受かってから買いに行こう。
基本的に何処で買ってもよいのですが、出来たら地元で無線機器を扱っているお店を探してみてください。その手のお店は、店主自身もアマチュア無線を楽しんでいる事が多いので、色々と教えてくれるでしょう。
それに、実は何処で買ってもあまり値段が変わらないんですよ。TVのように家電量販店が何千台とまとめて購入するのであれば、メーカーの卸値も安くなって値段の差も付くでしょう。ですがアマチュア無線はニッチな市場なので秋葉原の大きめの量販店でも、それほど大量に扱っているわけではないのです。卸値がほとんど変わらない以上は、何処でかっても同じ値段になってしまいます。
よくオークションなどで技適をとっていない無線機器を販売していますが、これらは買わないでください。無線局開局申請を行うときに、技適の取得を自分でおこなわなくてはならないため、ほぼ開局できなくなります。
2.2.無線局開局申請
無線機器を購入したら、アマチュア無線局開局申請書を出します。申請書には無線機器に書かれている適合証明番号を書かなくてはならないため、無線機器を購入しないと開局申請を出せません。
書き方が良くわからなければ、無線機を購入したお店で聞いてください。
無線機器の電源を入れても構いませんが、まだ無線局免許を貰っていないので、応答できません。電波を発信したら違法です。無線を聞きながら、無線局免許が届くのを気長に待ちましょう。
2.3.無線局免許交付
無線局開局申請から約一ヶ月で無線局免許証が送られてきます。ここで初めてコールサインが付与されて、アマチュア無線局として無線に応答できるようになります。
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長い道のりですよね。

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