最初の無線機は何にする?

アマチュア無線技士試験に合格したら、まずは無線機を買わなくてはなりません。
さて、どんな無線機を買ったらよいのでしょうか?
ハンディ機は安いので、入門者が最初に購入することが多いです。ですが移動して運用する予定がないなら、最初から固定機を購入するか、モービル機を固定機として流用する事をお勧めします。
ハンディ機の多くは144Mhzと430Mhz帯で交信します。この周波数帯域は基本的に見通し距離でしか交信できません。アンテナを設置している高さが3m程度だと仮定すると、仮に障害物がなくとも10Km程度の距離でしか交信できないのです。交信距離を伸ばすにはアンテナを外付けにして、より高い場所に設置すればよいのですが、仮にアンテナを10mの高さにしても25Km程度しかありません。
遠距離と交信を行うには7Mhz~50MhzのHF帯を使用する必要があるのですが、ハンディ機で50Mhz帯に対応した機種は価格も高くなってしまいます。また、ハンディ機に使用するような小型のアンテナでは50Mhzの電波を十分に受信する事は出来ず、どうしても受信状態が悪くなってしまうのです。
ハンディ機を購入する場合、出力にはあまりこだわらなくて良いでしょう。カタログには「出力5Wのハイパワー」などと書かれていますが、ACアダプタ接続時のみで、バッテリーで使用する場合には3W程度の出力しか出せない事が多いのです。移動先で使用するのであれば、安価な3W程度の機器を購入しても、実質的には変わらない事になります。
固定機やモービル機を購入する場合、50/144/430Mhzのトリプルバンド機が良いと思います。一般に周波数が低くなるほど大きなアンテナが必要になります。50/144/430Mhzのトリプルバンドなら一つのアンテナで共有することもできますし、大きいものでも3m程度の長さしかありません。この程度のサイズならアンテナを高い位置に上げるのも容易です。50Mhz帯は運が良ければ電離層反射を利用したかなり遠くの局とも交信する事ができます。ユーザー数の多い144/430Mhzと、遠距離交信も可能な50Mhzを併用することで、より多くの人と交信できるでしょう。
安定して遠距離交信するには7Mhz帯を使う事になります。アンテナのサイズは、大きな物では20mにもなるため、アンテナの設置も容易ではありません。最近は比較的小型のアンテナも出ているようですが、小さくなればそれだけ受ける電波の量も減り、利得も落ちてしまいます。無線機の価格も高くなってしまいますので、入門者が最初に手を出す無線機としては、止めたほうが良いと思います。
D-STARと言う、インターネットと連携することで遠距離通信を可能にするシステムがあります。430Mhzの手軽なハンディ機でも海外など遠距離の無線局と交信できる可能性がある点で面白いです。比較的近所にD-STARリピータ局があるなら、購入候補に加えてもよいと思います。おもに430Mhz帯を使用しますので5~20Km程度の範囲内にD-STAR対応リピータ局がないなら、利用できない可能性が高いのであきらめましょう。
Amazonで無線機を買う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です