はやぶさ、大気圏突入まで後16時間

はやぶさの体験突入は本日22時50分の予定。
報道ではあまり強調しないけど技術試験探査機なので、最重要任務は小惑星のサンプルを持ち帰る事ではなく、技術試験なのだ。今回の再突入で試験される技術は二つ。
ひとつは大気圏再突入カプセルによるサンプル回収。地球の引力圏の外からサンプルを持ち帰るのは世界でも初めて。そして秒速12Km(地球の引力を振り切るために必要な速度)で、大気圏再突入をおこなうのは3例目(米国の彗星探査衛星スターダスト、太陽風探観衛星ジェネシスの二機)。失敗しても、成功しても、重要な知見を得られるので、世界中で観測体制をしいて待っています。
もう一つは、地球に落下する恐れのある隕石の観測予測システムの検証。これは後から追加されたミッションです。「地球の引力圏の外からやってきて、確実に地球に落下する事が分かっている物体」と言うのは滅多にないので流用されていたりします。
計画当初は地球に落下せずに、他の天体の観測に再出発させる予定でしたが、故障が頻発したため余力が無くなってしまったのです。惑星探査機を使い捨てにせず、地球に戻した後再利用するという、世界初の試みでしたが、あいにくと実現できませんでした。

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